インベブ社 商標をめぐり「バドワイザー」を「バド」へ ― イタリア ―

世界的に有名なビールブランド「バドワイザー」のブランド名をめぐる裁判がイタリアの最高裁判所で行われている。

バドワイザーの名は、もともと中世よりヨーロッパでビールの産地として栄えていたチェコの都市名に由来する。この都市で発展したビールは今でも特産物となっている。
一方、19世紀後半、ひとりのドイツ系アメリカ移民も、この名産地の名前にあやかり、アメリカで同名のビールの販売を始めた。それが後に、世界最大のビールメーカー、アインザー・ブッシュ・インベブ社に成長する。

アメリカではインベブ社により「バドワイザー」の商標が登録されており、チェコ側がアメリカへの商品輸入を開始した際に両者の間で商標権をめぐる訴訟が起こされている。

この結果、アメリカに限ってはチェコ側が商標権を放棄すること、対してチェコをはじめ、ヨーロッパの主な国ではチェコ側が商標権を得ることで合意に達した。それ以外の世界各国では、いまだに訴訟が続いており、イタリアでは、どちらに商標権があるのか、もう何年も争いが続き、過熱している。

控訴裁では一度、現代において、起源であるチェコの都市とビール商品は関係性がなくなっているという判断で、インベブ社に商標を使用する権利があるという結論が出た。しかし、後ほど最高裁がその判断に誤りがあると指摘し、再審に入っている。

これを受けてインベブ社は2013年10月8日、バドワイザーのブランド名の使用をやめ、「バド」の名称を使うと発表した。バドの名前はバドワイザーの名前が使えなくなったヨーロッパの国々でインベブ社が使用している商品名である。

結論が出ていない現段階で、インベブ社がイタリア国内においてバドワイザーの名前の使用を禁じられたわけではない。しかし、販売が途絶えることがないよう、名称を変更した上での販売に踏み切ったという。同社は、依然として自社に商標を使用する権利があることを強く主張していくとコメントしている。

インベブ社の売上に占めるヨーロッパの割合は2%程度で、それほど重要ではないとされている。しかし、商標問題により、インベブ社の商品が世界的なビールブランドとなる道が険しくなったのは確かだろう。

バドワイザーって地名なんですね。

初めて知りました。今じゃ地名よりもビールの方が有名なのでは。でもチェコっていうと、ピルスナーのビールがおいしいイメージです。
バドワイザーの古典ビールも飲んでみたいです。
なお、私はお酒は大好きですが、ビールは一杯しか飲めません。お腹にたまって飲めなくなります。

さて、商標についてですが、未だに訴訟が継続しているのですね。確かに地名なので商標法的に考えると問題ありそうです。
しかし、これだけ有名になった以上、「バドワイザー」という商品名と、チェコのバドワイザー産ビールとがうまく棲み分ける方法を考えて欲しいです。

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