オランダビールの「ハイネケン」がピンチ!中国ではミシンの商標!? ― 中国 ―
世界的に有名なオランダのビールメーカー「ハイネケン」の商標が、中国の上海見本市でミシンの商標として使用される事象があり、イギリスの日刊新聞『フィナンシャル・タイムズ』紙に取り上げられている。
(参照:中国の市場展開は困難か、登録予定商標「テスラ」のゆくえ ― 中国 ―)
ハイネケンの名前と商標を自社のミシンの商標として使用したのは、中国のミシン製造企業、呉江市喜力機械工場である。
中国では海外の有名な企業名やブランド名、またそのロゴなどを自分の商標として登録し、知名度や信頼を利用しようという例が後を絶たない。
その被害にあっているのは日本企業も例外ではなく、名前やブランド、漫画のキャラクター、果ては地名まで中国の第三者によって商標登録出願されている。
ハイネケンの申請も今回が初めてではなく、最初の2回は悪意があると却下されていたが、この3度目の申請は承認されてしまった。
ハイネケン側はもちろん取り下げを求めていたが、その声は届かなかったようだ。『フィナンシャル・タイムズ』紙に香港の知的情報センター(SHIPS)の代理人が、不服として批判的なコメントを寄せている。
中国の商標制度は登録主義であり、第三者による冒認出願でも、一度承認されてしまうとなかなかくつがえすのが難しい。今回の例でも、登録されている以上、中国での商標使用はハイネケン側が不利となり、中国内での営業に支障が出るほか、場合によっては相手に起訴されて多額の支払いを強いられることも起こり得る。
しかし、商標制度を整えない限り、中国市場に海外企業が進出する隙はできない。世界に通用する中国ブランドを築けないという点では、国際市場における中国企業という反対の構図も然りである。
中国は事態を改善するために、法の改正にも取り組み、法の取り決めに実態が則すように改良を重ねてきたが、ハイネケンの一例で、中国市場がいまだに混沌としている様が浮き彫りになってしまった。(参照:中国商標法 商標侵害多発で改正案が可決 ― 中国 ―)
中国政府には、今も変わらずアメリカやヨーロッパ、日本など、世界中から、問題解決に向けて圧力がかかっている。
またまた中国の話題ですね。話題に事欠かないのは凄いです。
さて、「ハイネケン」は超有名ビールブランド名ですから、類似しない商品でも使用されるのは避けたいでしょうね。
しかし登録されてしまった以上厳しそうです。
ビールを指定商品としていれば何度出願しても永遠に拒絶になったでしょうが、ミシンだとまぁ登録になる可能性もあります。
しかし、このままでは、中国の知的財産制度の脆弱性を露呈しているだけですので、早急に法改正を望みます。
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