高知県、県産ユズ「KOCHI YUZU」を海外で商標登録 ― EU ―
2016年12月8日、高知県は県産ユズ「KOCHI YUZU」を欧州連合(EU)と香港、シンガポールにおいて商標登録したと発表した。今後も世界に向けて知名度アップを図りたいとしている。
(参照:アイスランド政府、英国企業の「アイスランド」商標の無効をEUに提訴 ― EU ―)
高知県産ユズは輸出量が増加しているため、ユズの青果や果汁を輸出している国や地域、また今後需要が継続することが見込まれる国や地域を選んで出願を行なった。今回、欧州連合(EU)、香港、シンガポールの三つの国と地域で「青果」「果汁」の双方で商標登録が認可された。高知県としては、海外での商標登録は初めてのこととなる。
2017年1月にはフランス・リヨン見本市において「KOCHI YUZU」ブースを出展し、さらなる認知度アップを計る予定だ。高知県産ユズの加工業者や販売業者は、事前に届け出ることで商標を無償で利用することが可能だ。
しかし全般的には単純な地名と固有名詞の組み合わせだけでは商標を取得するのが困難になりつつあり、、オーストラリアと台湾においては却下された。また中国では「青果」で却下、「果汁」が審査中となっている。
日本で生産される高品質の農産物を海外に輸出する際、輸出先の国で商標権を獲得することは極めて重要なことです。その理由は、輸出農産物は、できるだけ高品質感を出して、高い価格で販売しなくてはなりませんが、そのためにはブランド戦略が重要であり、そして、ブランド戦略の中核が商標登録だからです。
輸出先の国では、高知県産のユズに似た、現地産の柑橘系の安価な果物が多数流通しているはずです。その中から、高知県産のユズを消費者に選択してもらうためには、まず、高知県産のユズを認知してもらうことと、それが高品質であるという認識をもってもらうこと、つまり、ブランド戦略が非常に重要です。そういったことがなければ、現地産の安価な競合果物に太刀打ちできません。
よって、今回、高知県が、高知県産ユズの商標権を、欧州連合、香港、シンガポールでそれぞれ獲得したということは、高知県産のユズの海外への輸出の促進にとって極めて重要なことであり、今後、同県産のユズの輸出が大きく発展していくことが期待できます。
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