商標登録で『マサイ族』は保護されるか? ― ケニア ―

2013年7月20日、アフリカの先住民であるマサイ族が自分たちのブランドの保護活動を開始していることがわかった。

マサイ族はケニア南部からタンザニア北部にかけて遊牧していた先住民であり、現在その人口は20~30万人になると言われている。サバンナで生き延びるために強力な視力を有しており、その驚異的な身体能力が度々テレビ番組などでも取り上げられるほか、各村の長老を頂点に伝統的な戦士を育成する文化でも有名である。

とはいえ、現代ではマサイ族も首都ナイロビを中心とした都心に移動が始まっており、村でもTシャツにジーンズといったカジュアルな出で立ちに携帯電話やスマートフォンを片手に生活しているという。マサイ族のイメージやブランドは、現代では観光業に生かされており、村の生活を支える主な収入となっている。

マサイの果敢で誇り高い戦士のイメージは世界的に知られており、知的財産権保護団体によれば、世界約80社がマサイの名前を商品やサービスに使用している。ハイファッション・ブランドのルイ・ヴィトンが発表した「マサイ・ライン」などが有名だ。

仮に「マサイ」というブランドをマサイ族が保有していた場合、年間1,000万ドルの価値があるとも言われている。そのためケニア南部に住むアイザック・オレ・ティアロロさんは、「マサイ知的財産イニシアティブ(MIPI)」をという組織を立ち上げ、自身の知的財産を守ろうと各村の長老の説得を試みてきた。現在は予想される膨大な使用料の分配方法などが争点となっているようだ。

商標で保護されるか否かは難しいところですね。

マサイ族と関係性が疑われるような商標を拒絶することは可能かもしれませんが、マサイ族は商標でなく一般名称なので。

しかし、マサイ族の保護という観点から商標で保護するのもよいと個人的には感じます。

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