中国商標法 商標侵害多発で改正案が可決 ― 中国 ―
中国の全国人民代表大会常務委員会が商標法の改正案を可決し、商標権侵害に対する制裁を強化したと新華社電が2013年8月30日に報じている。可決された改正案は2014年5月1日に施行される見込みだ。
(参照:中国の市場展開は困難か、登録予定商標「テスラ」のゆくえ ― 中国 ―)
中国では有名ブランドによく似た名前の商品が販売されるなど、他者の商標権を侵害して利益を得ようとするケースが後を絶たない。こうした現状をふまえ、法改正により、一層の権利保護を狙う。
改正後は被害企業が受けた損失をもとに、1~3倍の損害賠償請求ができるようになる。損失額の認定が困難な場合でも、裁判所が言い渡すことができる損害賠償額の上限が300万元(約4,800万円)に引き上げられた。
現行法では、この上限が50万元となっている。改正案では、実に6倍に増額されており、中国が商標の適正な使用について本腰を入れて動き出したことがうかがえる。
一方、先願主義、および登録主義の色が濃い中国では、海外ですでに有名な商標を先に登録する動きも活発で、中国市場に進出しようという日本企業との間でも問題が発生している。この登録態勢についても早急な改善が望まれており、中国の商標をめぐる現状はなかなか根が深い実情がある。
罰則が強化されるのですね。いいことだと思います。
なお、度々中国の話題が上りますが、日本でも昔は中国のように有名商標や良さそうな商標を先に権利化しておいて、後で高値で売るといった行為が沢山ありました。
このような権利化を防止するため(正確には、使用主義との調和を図るため)、不使用取消審判制度、不正使用取消審判制度、外国著名商標の不正目的での登録を禁止する規定(商標法第4条第1項第19号)などが規定され、悪質な行為が出来難くなりました。
中国も日本と同じ道を歩んでいます。
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