韓国アイドル神話、企画会社社名変更で商標権訴訟を有利に ― 韓国 ―
2014年8月29日、韓国アイドルグループ「神話」が企画会社社名を変更したと発表した。
(参照:サムスン電子、新たな商標出願は量子ドットディスプレイ商品化か ― 韓国 ―)
企画会社「神話カンパニー」を「シンコム・エンターテインメント」に変更。これは「神話」というブランドをめぐってジュン・メディアと争っ ている商標権訴訟を有利に進めるためである。
「神話」の商標はSMエンターテインメントから譲り受けたジュン・メディアが現在保有している。これに対して神話カンパニーはジュン・メディアに対し商標権使用契約解約訴訟を起こし、一部勝訴、一部敗訴という結果となり、今年8月に控訴したばかりだ。
神話側は、企画会社の神話カンパニーという社名をアルバム登録やジャケット表記することが商標権を使用しているとみなされる可能性があるため、今後の訴訟闘争において不利に働くことを懸念し、社名変更という今回の措置をとった。
神話は16年間メンバーが交代していない韓国の最長寿アイドルグルーブ。1998年 SMエンターテインメントからデビューし、2011年にメンバーが代表として、また 株主として自ら企画会社「神話カンパニー」を設立し独立を果たした。
今回の「ジュン・メディア」と「神話カンパニー」の争いは、どちらに商標権が帰属するかということではなく、「ジュン・メディア」が所有する「神話」の商標を、「神話カンパニー」が使用する商標使用契約について、契約違反があったことが原因のようです。
契約違反は、神話側が要求した商標権の保持確認の文書の交付を、ジュン・メディア側が拒んだことが挙げられます。
これに対し、神話側が契約の解除を一方的に通知し、解除の効果として、2012年のコンサート収益の一部を不当利得約2,200万円相当の返還を求めました。
一方のジュン・メディア側も、これ対抗して、神話側に対して、約3,600万円相当額の商標権使用料の支払いの訴えを起こしました。これらの訴えに対して、裁判所は、両者の請求額の全額を認めました。この結果、差額である1,400万円相当額を、神話側が、ジュン・メディア側に、支払うように命じられました。
神話側では、この訴訟を、商標使用契約の違反が裁判でどう扱われるかという試験だったと述べています。
控訴したとはいえ、ジュン・メディア側の主張も全面的に認められたわけですから、「神話カンパニー」を「シンコム・エンターテインメント」に変更したのも、この裁判の結果が影響したものと考えられます。
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