BMWの子会社、Google子会社が同名と商標権を調査 ― EU ―
2015年8月11日、ドイツ自動車メーカーのBMWは、米インターネット検索会社Googleの設立した子会社がBMWの子会社と社名が同名であるため、商標権侵害があるかどうかを調べていると発表した。
(参照:インベブ社 商標をめぐり「バドワイザー」を「バド」へ ― イタリア ―)
BMW側は商標権をめぐる影響があるかどうかを調査中とし、現時点で法的措置は計画していないと語っている。BMWは法人向けの自動車リースサービスを提供する子会社の社名に「Alphabet」を採用し、商標登録もしている。
一方、Googleは8月10日の組織再編に関する発表において持ち株会社「Alphabet」を設立したことを公表した。Google側は、「Alphabet」の名前で製品を提供することやブランド展開することは検討していないとしている。
商標権侵害をめぐる問題においては、2つの商標が同様の製品やサービスを提供して消費者に混乱をもたらすかどうかが重要となっており、今回のことが法的問題となるかどうかは微妙だ。
BMWの子会社は「Alphabet」の商標登録をしておりますから、Googleの子会社が「Alphabet」名で商品やサービスを提供したりして、この名称をブランドとして利用し始めると問題がおこります。
この場合でも、Googleの子会社が、BMWの子会社の商標権の及ばない指定商品・役務に関する商品・サービス等を提供する場合には問題がないはずですが、BMWもGoogleも非常に大きな会社ですので、Google側がよほど慎重に提供する商品や役務を選ばない限り、トラブルが発生する可能性があります。
現在のところ、Googleは「Alphabet」の名称を社名としてのみ用い、ブランドとしては使用しないと主張しておりますから、そうであれば法的には問題はないかと思いますが、万が一、Googleが「Alphabet」をブランドとして利用を始めた場合には、巨額の賠償金額が発生する訴訟になる可能性があるので、今後のGoogleの動きが注目されます。
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