「バーバリーあんぱん」、不服申し立てを受けて商標審査へ ― 韓国 ―
2015年1月26日、韓国特許審判院は「バーバリーあんぱん」への商標登録拒絶に対する不服申し立てを認定し、特許庁審査局に差し戻す決定をした。
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不服申し立てをしていたのは韓国慶尚北道安東地域の農業法人・バーバリー餅である。同法人は2014年2月にあんぱんである「バーバリーあんぱん」を商標出願したものの、英国ファッションブランド「バーバリー(BURBERRY)」とハングル表記が類似しているとして韓国特許庁審査局から出願を拒否されていた。
これに対しバーバリー餅側は「バーバリーは発話障害を意味する言葉の方言で国内で広く使用されている。商品はあんぱんであり消費者からの誤解はない」と特許審判院に不服申し立てを行なっていた。
特許審判院は、同法人の『バーバリーおかき』が安東地域の特産品になっていることや、あんぱんに使用することにより商標が希釈化されることはないとして申し立てられた件を特許庁審査局に差し戻す決定を下した。
今回の「バーバリーあんぱん」に対する韓国特許審査局が下した商標登録の拒否の判断に対しては、韓国特許庁が、英国のバーバリー社からの申立てがあったわけでもないのに、独自に自国の「バーバリーあんぱん」の商標登録の拒絶したことは適切ではないという意見があるそうです。
韓国国内では「バーバリー」は韓国慶尚北道安東地方の方言であるという認識があり、逆に英国のファッションブランド「バーバリー」を、韓国起源の「バーバリー」を勝手に使用しているという理由で使用禁止にすべきだというような意見も出ているようです。
韓国特許審判院は、さすがにそのような急進的な意見は述べておりませんが、バーバリーが安東地方の方言として定着しており、「バーバリー」が商標としてあんぱんに使われても、英国のファッションブランドが悪影響を受けることはほとんどないとして、特許審判局の登録拒否の判断を差し戻し、ある程度韓国国内の意見に沿った判断を下しました。
商標権の登録の可否の判断には、その言葉の起源がどこにあるのかという歴史的な観点からも判断がなされる場合があるという事例でした。
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