中国メーカーのNOVO、英国「ヘンリー王子」の商標を中国で登録 ― 中国 ―

中国の大手肌着メーカーのNOVOグループが、英国「ヘンリー王子」の商標を登録した。イギリスのメディアが4月23日付けで伝えたもの。同商標の有効期限は2023年までで、「ヘンリー」の名での服飾商標も、2021年までの有効なものとして登録が済まされたという。
(参照:ブリヂストンが中国での商標権侵害訴訟で勝訴 ― 中国 ―)

英国王室のヘンリー王子およびその兄のウィリアム王子は、ヨーロッパにおいては既にその名称を保護する対策を済ませており、また両王子とキャサリン妃は肖像権を管理する会社を設立して、必要な措置を行っている。

しかし、これらの対策はヨーロッパ以外では効力を発揮せず、今回の中国における商標登録についてもヘンリー王子らが中国で措置を行わなければ対抗できないとのことだ。キャサリン妃の名も既に中国においていくつかの企業が商標登録を行っており、電子レンジなどの厨房用品に使用されて流通しているという。中国企業の商魂のたくましさにはもはや脱帽するしかない。

中国では、公知の外国の地名や地理的表示、先に使用している一定の影響力を有する商標を不正な手段により登録した場合には、出願商標を取り消すことができますが、それ以外の場合には取り消しできません。

したがって、中国で登録された人名であるところの「ヘンリー王子」の商標を取り消すことは容易ではありません。

しかし、「ヘンリー王子」の名称が、中国において様々な商品・役務に対して使用されることは、英国王室のイメージを損なう場合があり、外交問題にまで発展しかねません。

確かに、中国商標法の登録拒否事由に該当しないときにはこのような商標も登録されますが、その場合には相手方の国民の感情に微妙に影響するという難しい問題をはらむことが多く、関係当局の適切な対応が望まれます。

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